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クロベスト人物編 黒部市UIJターン 黒部で暮らす若きトップランナー [○○×わたし]

File No.04 安心できる暮らし わたし

顔が見える人のために

黒部市民病院 看護師
田中友世さん

田中友世さん

黒部生まれ、黒部育ちの田中さんは富山大学を卒業後、東京医科歯科大学附属病院に看護師として就職。大学病院の職務に励み、6年後、祖父が病で倒れたことを機に、黒部にUターン。現在は黒部市民病院の看護師として生死を見つめる厳しい現場に立ちながら、2歳と4歳の子育てに奮闘する毎日を送っています。

東京では描けなかった人生のビジョン

「人の役に立つ仕事」を夢に抱き、看護師として東京の大学病院に勤務した田中さん。「仕事も私生活も刺激的だった」と語ります。勤務は想像以上に激務だったそうですが、「東京には遊べる場所がいっぱい。独身なら楽しいところですよね。」と、同僚や先輩たちと過ごした時間を懐かしみます。「でも、結婚して子育てするという自分の姿が見えなかった。通勤の満員電車には人生のビジョンが描けかったんです。」

田中友世さん

仕事のやりがいも私生活の充実もあるけれど、自分の将来像が見えない。「これから自分はどうなっていくんだろう?」と、もどかしい悩みを抱く田中さんに、ひとつの転機が訪れました。東京の勤務も板についた頃、黒部に住む祖父が脳梗塞で倒れたのです。「最愛の家族の看護もできず、自分は何をしているんだろう。」と、夜勤中に感じたジレンマが、黒部にUターンすることへの後押しとなりました。「地元で働けば、知り合いや、いずれは自分の親も看護できるかもしれないと思いました。黒部は名前を知らなくても挨拶しあうまち。顔が見える人を元気にできる、看護することが誰かにつながる喜びが、ここにはあります。」と目を輝かせました。

幸せを感じられる暮らし

看護に精通している田中さんとはいえ、初めての育児はかなり苦労したそうです。「スマホで子育ての情報が手軽に集められる反面、情報通りにいかないと不安や不満が募って、かなりストレスになりました。」それを支えたのが『子育て支援センター』だったと言います。「声を大にして、皆さんに勧めたいです!支援センターには専門職員がいて気軽に相談できるし、同月齢の子どもを持つ親同士だから育児の話題も共通。乳幼児の子育て中は家族以外の大人と接触が少ないので、センターで交わす何気ない会話に救われました。」
田中さんは、黒部の暮らしやすさの理由に『子育てできる安心さ』を挙げます。「黒部の保育園では待機児童がなく、安心して働けます。職場と保育園が『ドアツードア』だから、東京のようにベビーカーでの満員電車や乗り換えの心配がない。地元だから顔を見れば挨拶できる関係があるのも安心。」と語ります。

田中友世さん

自分が最期、どう迎えたいのか

田中さんが勤務する黒部市民病院の腎センターは、約50床を抱える富山県東部で最大の透析施設です。血液透析は1回4時間かかるうえ、週3日通う必要があり、患者さんはもとよりサポートするご家族の負担も大きい治療です。近年は透析患者の高齢化が進み、認知症との併発が問題となっており、「意思の疎通や透析治療に対する理解が難しい場合も多くなっています。」と田中さんは言います。
厚生労働省では、人生の終末期にどのような医療を受けるか事前に家族や医師などと話し合う『人生会議』(アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の愛称)の普及・啓発に平成30(2018)年から取り組んでいます。黒部市民病院では事前に本人が延命治療を望むかどうかを聞く『事前指示書』の運用を令和2(2020)年から始めました。この取り組みは腎センターで多くの透析患者と家族の姿を見ている田中さんにとって、この取り組みはとても重要なものだそうです。
「延命治療の選択は家族が行うには、辛い悩みと重すぎる決断が伴います。自分の最期をどこでどう迎えたいという話題は、確かに触れがたいテーマです。でも、誰もが救われるためには大切な考え方として、もっと広く知られるようになってほしい。」

田中友世さん

プロとしての笑顔とスキルアップ

「看護師は一生の資格、産休・育休でキャリアが壊れることはない」という田中さんが心がけているのは、いつも笑顔でいること。「『今日も元気だね』と患者さんに言われるように。少しでも元気を分けてあげたいから、患者さんの前では『笑顔スイッチ』を入れるようにしています(笑)」
田中さんの夢は、黒部市民病院が独自に行う姉妹都市の米国ベーコン・ビブ郡との医療交流プログラムに参加すること。コロナ前、内定が出ていた田中さん。残念ながら、コロナ禍で事業は現在保留に。「米国の医療や文化に触れて、もっと刺激を受けて成長したい」とスキルアップに意欲を見せます。温かな日だまりのような笑顔、そしてプロとしてのキリリとしたたたずまいに、黒部に住まう市民として頼もしさと力強さが感じられました。

COLUMN

黒部市は子育てするには最高の環境

まず水がいいこと、そして緑が多くて時間がゆったり流れているところ。道路が広いから車の運転も楽なんですよ。保育園の送迎だって、満員電車で人の目を気にする必要はありません(笑)人口が密集している東京だと、人が多くても「すれ違う」だけ。黒部だと名前を知らない人でも自然と挨拶し合う。何気ないその挨拶が見守られているという安心感に繋がっています。
朝は子どもたちを保育園に送って、そのまま出勤。仕事が終わったらお迎えに行って、夕食を作ってお風呂に入れて…疲れて子どもと一緒に寝てしまうこともあります。育休中は子育て支援センターに支えられて、今は職場の先輩ママたちに相談できて助かっています。24時間ずっと子育てだと本当にストレスが辛いから、保育園に預けられてよかったと思うし、仕事をしていてよかったとも思います。
最近、ようやく学生時代にやっていたテニスを再開しました。黒部はスポーツ環境に恵まれています。休日は運動して汗をかいて、リフレッシュです!

黒部市総合公園
黒部市総合公園で
石田浜
野球上手のパパに習って@石田浜
『先輩ママ』でもある職場の仲間たちと
『先輩ママ』でもある職場の仲間たちと